男の着物|自然とカッコよく見える3つの大事なこと

投稿日: カテゴリー 着物


男の着物をカッコよく現代的にスマートに着こなしている方は非常に少ないですね。
スーツの世界はカッコよい着こなしの方が一定数いますが、着物の世界はまだ何かが足りないなぁ〜と感じることが多いのです。
私はスーツをカッコよく着こなすように着物もカッコよく着てもらいたいということを考えながらこの仕事に取り組んできました。

そこで今回は自然にカッコよく見えるコツをお話しします。
ポイントは3つです、では早速順番にお話ししていきますね。

素材

まずは素材です、着物はバーンと全身に生地を纏いますのでごまかしが効きません。
大人の男としてのこだわりがここに大きく現れます。ここはオーダースーツの生地選びと同じ感覚で構いません。
お洒落な生地、高級感のある生地、ほっこりした生地、男の着物の世界でも探せばそれなりに楽しいファブリックがあります。
今までの経験をベースにご自分の感性とお店の人のアドバイスでしっかりした素材を選びましょう。

生地は紬(つむぎ)と呼ばれるものとお召(おめし)と呼ばれるものから選ぶのがお薦めです。
これらは絹100%の素材です。

着物の世界では絹100%の素材が着心地や高級感、素材感などやっぱり一番良いと思います。

木綿などの素材にはまた別の良さや用途がありますので、その辺は着物も色々なので分けて考えましょう!

私の個人的な感想ではイタリアの高級ブランドのスーツ生地も高級感がありお洒落でしなやかで良いのですが、
それらに比べても着物生地は立体感があったり迫力があるなぁと感じました。
着物に比べて高級ブランドの生地がだんだんとのっぺり見えるようになりました。

基本的にスーツ地はウールで着物地は絹なので、そのウールと絹の違いがあるのだと思います。

素材の感覚は人それぞれで正しいとか間違えとかの理屈ではありません。
あくまで感覚なのですが、生地をたくさん見て触って比べるとだんだんと感じるようになっていきます。

着物の世界にある50万円100万円するような値段の高い生地にはそれなりに付加価値があるのだと思いますが、
付加価値のある高い生地だからと言ってお洒落に見えてカッコよいとは限りません。
コストパフォーマンスが良くて高級感がありカッコよい生地もたくさんあります。

まずは素材にこだわって自分の感性で探してみましょう!

サイズ

2つ目はサイズ感です。しっかりとしたサイズで着ることはやはり大事です、サイズが合っていれば着姿がよく見えます。
身丈、裄、身幅、全体のバランスなど細かいところまでサイズを合わせていきます。

・身丈

まず身丈ですが、女性着物のように「おはしょり」がないので簡単そうで難しいところです。
身長引く何センチメートル=身丈というアバウトな考え方だけではちょっと長いちょっと短いという誤差が出ることがあります。

一番間違えない方法はサンプルなどを実際に羽織って腰ひもや帯を付けてみることです。
短めが好き長めが好きと言う好みはありますのでご自分が納得するサイズで良いのですが目安は着物の裾が
くるぶしを隠すくらいになります。

一つ注意が必要なのは雑誌などの撮影ではゆとりは必要なく写真としてキッチリと見えるように着つければ良いのですが
実際に一日着るのであれば、撮影のように着ていたら立ったり座ったりした動きを重ねると窮屈に感じて疲れてしまいます。

そういうことを含めて考えますと、帯を締めて動けば着物は少し上に上がってきますので
背中とお腹にある程度ゆとりを作った状態でくるぶしを隠す程度の身丈にしていただくのがお薦めです。

当店に相談にくるお客さまで他店で作った着物をしっかり帯を締めて着てみたら短く感じたということも多々ありますので
ご注意ください。

・裄

昔の写真などを見ると裄を短く着ている方が多く見えましたが、今着物を作る方は裄を長めにする傾向があります。
これも短すぎず長すぎず程よい長さが良いのだと思います。一つの目安は手を肩から45度下げた状態で、
首の付け根から手首のグリグリしたところまでです。
あくまでも目安なのでそこから少し長めでもそこから少し短めでも好みで構いません。
極端にならないように店員さんのアドバイスも参考に考えましょう。

・身幅

男性の着物は恰幅のいいほうが似合うという話がありますが、半分は合っていますが半分は間違えです。
太っている方はお腹があるから納まりがいいのでそういう話になりますが、普通体形から痩せている方でも身幅が合っていれば
しっかり着ることが出来ます。一般的には身幅を大きめに仕立ててしまう着物屋さんが多いように感じます。

身幅はゆとりが多くなりすぎないように注意しましょう。

前幅、後ろ幅だけを調整しても背が高くて肩幅を広くとる場合は腰から上あたりがゆとりが多くなってしまいます。
着物の構造上は仕方ないのですが反物の幅の広いもので肩幅を狭く袖幅を広くすることでカバーすることが出来ます。
上記のことまで踏まえると背が高くて細い方のサイズ合わせは難しいのです。

・そのほかの部分

その他にも私がお客様のサイズを考えるときには、袖丈、褄下、内揚げ、掛け襟、などのバランスを考えます。
羽織の方も身丈のバランスや乳の位置なども重要になってきます。

これくらいしっかり考えてやっと良いサイズの着物が出来上がります。

着方

最後に着方についてお話しします。
ここまでくると「素材の良い着物」「サイズの合っている着物」が手元にある状態ですので
何も恐れることはありません。ただ着るだけです(笑)

しかし、ただ着るだけと言ってもコツがあって主に角帯のポジションが大事になります。

角帯の下の部分を足の付け根くらいまで下げて背中側はお尻にかかるくらいのポジションで結びましょう。
締め方は最初は教わってその後は何回も反復練習で覚えていきましょう。

難易度はネクタイ結び程度ですので教わって練習すればだれでも自分でできるようになります。
ただしネクタイでも綺麗にカッコよく締めている人とだらしなくカッコ悪く締めている人に分かれますね。
角帯もあれと同じです。カッコよく綺麗に締めようと見て真似て練習すれば段々上手になります。

女性のようにキッチリしすぎないで少し着物の胸元を開けたりしてこなれた感を出したりするのもいいですね。
その場合長襦袢は衿止めで留めておくのが良いでしょう。
長襦袢と着物の両方の胸元を開けてしまうと任侠映画のようになってしまいますので注意が必要です。

締め方はこちらのページの動画も参考にしてください。

メンズ浴衣の着方|角帯の結び方の説明(貝の口)

「まとめ」
よく着慣れるまでは違和感があっても仕方ないという話がありますが、
私はそういう風には考えていません。そもそもサイズが合っていないのだと思います。
サイズを合っていない着物でいくら練習してもずっとうまく着れないですしずっと違和感があるはずです。

今回お話しした「素材」「サイズ」「着方」をしっかり意識して着ていただければ違和感なく
最初からカッコよく着ることができます。

ぜひ参考にしていただきカッコよく「男の着物」を着てください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です