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男の着物が「無風」だった時代
2025年10月13日
私が男の着物の仕事を始めた頃は、まだほとんど注目されず、まさに「無風」と言える時代でした。
それでもこうして仕事を続けてこられたのは、潜在的に「着物を着てみたい」「男の着物っていいよね」と思っている方が、実はたくさんいらっしゃったからだと思います。
DNAに残る「着物」の記憶
日本で生まれ育つとDNAの中に着物の記憶が残っているのではないでしょうか。
普段は意識していなくても、男性の着物姿を見ると「なんかいいよね」と感じたり、女性からも「男の人の着物姿って素敵」という声をよく耳にします。
これは商売抜きでも本当に多く見聞きしてきたことです。
男の着物に出会うきっかけ
こうした声があり何かのきっかけで着てみたいと思う。そのようなこともあり、私のような店も続けてこられたのだと思います。
そしてこれからも、きっかけさえあれば「男の着物」に興味を持つ方はまだまだ増えていくと感じています。
男性が着物に興味を持つのに特別な理由は必要ありません、「ちょっと着てみたい」で十分です。

これからもまだまだ男着物を知らない方々が何かのきっかけで興味を持ち始める。
そんな方々のためにも続けていきます。
Tokyo Men’s Kimono Shop | Everyday Encounters with Overseas Guests
2025年10月12日
The other day, two parties dropped by on a weekday afternoon.
One was a Japanese customer who’s heading to Australia next week and wanted a men’s kimono to wear there.
The other was a visitor from Europe—Nordic vibes—who stopped in to choose a men’s kimono as a memory of their time in Japan.
It still feels a little mysterious and very special: people who go abroad from Tokyo, and people who come to Tokyo from abroad, all finding joy in men’s kimono.


These days, inbound visitors from all over the world also come to see men’s kimono and men’s yukata.
Kimono may be a Japanese tradition, but moments like these remind me how it crosses borders and connects people.
男着物業界、この20年の変化
2025年10月12日
20年前、私が男の着物専門店を立ち上げた頃、
高級店と伝統的なお店はありましたがカジュアルに男着物を販売する店がありませんでした。
一般の人が気軽に買えてカジュアルな男着物を選べるお店は見当たらなかったので私が初めてそのような店を作ったのだと思います。
私自身、5万円から10万円程度でセミオーダーのスーツを販売してきた感覚がありました。
その「普通の感覚」で買える男着物専門店をつくるためにリサイクルや既製品や紬や木綿などを従来の着物の金額よりも安い普通の金額で販売していきました。ですから着物が高級品だと思っている多くのお客様から不思議がられて変わった店ができたと思われてきたと実感しています。。
着物はやはり女性中心の世界ですから問屋関係の業者さんたちからも、えっ?えっ? 男だけってなぜ??と何回も言われました!(当時とても変な店だったのでしょう)
それが5年、10年と時を重ねるうちに、少しずつ「男着物」を掲げるお店も現れ、今では小さいながらも一つの業界と呼べるような形ができています。
正直私としては同業者がいないような小さな世界で細々とマイペースでやるつもりだったので驚きの連続でこの男着物の世界を見てきました。

昔は正月や特別なイベントの時に、百貨店などで買って着るくらいの方が多かったと思います。
しかし今は価値観が多様化し、いろいろなシーンでさまざまな着方をする男着物の人たちが増えてきました。
スニーカーを合わせるような本当にカジュアルな着方をする方もいれば、リサイクルや安価な着物をアレンジして楽しむ方もいます。
一方で、新品の反物からしっかり仕立てる方もいて、その層は決して多くはありませんが、確かに存在しています。
要するに、男着物の世界は一つの型に縛られることなく、多様な広がりを見せてきています。
メディアを見ても、男性が着物姿で登場する場面は、以前に比べて増えています。
その流れもあってか、私のところにも衣装協力のご依頼は常に何かしら入ってくる状態が続いています。
振り返ると、私自身もこのような流れを作った一人になったのだと感じています。それが少しずつ広がっていき、今では一つの小さな業界になりました。振り返れば懐かしい気持ちもあり、同時にとても嬉しい気持ちです。
東京で男着物を販売|不思議なご縁に支えられて
2025年10月11日
私が発信している男着物関係の投稿をきっかけに来店されるお客様が多いのだと思います。
そこからさらに紹介をいただいたり、思いがけないご縁も色々あり多くのお客様と出会うことに感謝しています。
東京ではなく地方に住まわれている方が、出張などで東京に来られた時に立ち寄ってくださることもよくあります。
そうした方々からは「自分の住んでいるところには男の着物を扱うお店がないんです」
「着物を着たい気持ちはあっても見に行ける場所がないんです」といったことを聞きます。

また、当店で着物を誂えて海外赴任や海外暮らしに持っていかれる方も多数いらっしゃいました。
最近ではインバウンドのお客様が世界各国から東京に来た際に、当店を訪ねてくださることもありなんだか不思議な気持ちになります。
いろいろな縁があって、人と人との繋がりがあり、私は一人一人と向き合いながら、なんだかんだと男着物をたくさん販売してきました。
「男着物を着る人はどこにいるんだろう」と思っていた20年前ですが、今振り返ると本当に不思議なことがたくさんありました。
一つ一つ細い糸をたぐり寄せるような20年間でしたが、おかげさまでなんとか続けています。
銀座4丁目|ちょっと古い雑居ビルにある男着物専門店
2025年10月10日
私の店は銀座4丁目にあります。
銀座4丁目と聞けば、キラキラとした高級店を思い浮かべる方も多いでしょう。
ところが実際は、ちょっと古い(すごく古い)雑居ビルの3階。
エレベーターもなく、入口も微妙な雰囲気です。
初めて来られる方の中には怪しいビルだな、怪しげだな、と思いビビりながら入ってくる人もいます。
実際に「探偵事務所みたいですね」とか言われたりします
(昔の映画のイメージですかね)

(昭和レトロなピンクの階段を登れば男着物ワールドへ)
しかし、
一度来ていただければ高級店や百貨店で女性陣に囲まれて接客されるよりだいぶ気楽だと思います。
ですから2回目以降は気楽に足を運んでいただけるようになります。
私(男)がお客さん(男)にラフに接客しますからね、お互い気楽にやりましょう。
銀座という土地柄から、立派なビルや高級店も多いですが古い街なので古くてエレベータのないビルもたくさんあります。
当店は、そんな古いビルで細々と営業しています。
ちょっと古くて怪しげなビルですが安心してください、大丈夫ですよ!
男着物専門店20年の歩み|増やしてきた選択肢
2025年10月09日
業界経験ゼロの私が20年前に男の着物専門店をスタートした頃は、
今のように「男の着物専門店」を名乗るお店はほとんどありませんでした。
そしてお店も無いがお客様もとても少ない時代でした。
最初はリサイクル着物中心にスタート
ところが男物のリサイクルは数も少なく、裄が短いなどのサイズの難しさもあり、なかなかお客様のご要望に応えきれない現実もありました。
ただ私としてはそこで高級品を含める多くの着物を見て触って測ってを繰り返したことで着物に対する目利きができるようになりました。
次に取り入れていったのが仕立て上がりの着物、そして反物へ
仕立て上がりの着物となると、どうしてもポリエステルや浴衣が中心で素材の良いものがあまりありませんでした。
そこで私は、もっと心地よく、普段から使えるものをと考え、紬や木綿、麻などのの反物を少しずつ扱うようになりました。
オーダースーツを売ってきた経験を活かして自分なりの男性着物サイズを考え反物の量もふやしていきました。
それから「改まった場にふさわしいものを」とか「茶道用とか」という声が少しずつ増えていきお召や袴の反物も揃えるようになってさらに裾野を広げていきました。
これらはすべて、一人ひとりのお客様と向き合い、会話を重ね、生地を確認してサイズを考えて納品し、着ていただいた感想を確認しながら
「よし、これなら大丈夫だ」と一歩ずつ積み重ねてきた結果です。

そうして20年
このように「男着物」だけに特化して積み重ねてきた知識と経験があります。ですから仕立て上がり着物も既製品も反物からのお仕立てもできるということが私の店ならではの強みになっています。
今では、超高級品を除けば大体のものが揃えられるお店になっています。
付加価値が高い商品は百貨店や専門店にお任せしますが、そうではない多くの男着物は、2店舗体制の「男の着物たけもと」と「男の着物たけもと銀座1丁目店」で選んでいただけるのではないかと考えています。
茶道用の男着物|東レシルックというセカンドチョイス
2025年10月08日
私の店ではこれまで、茶道用着物のお客様には、正絹のお召や正絹の袴をおすすめしてきました。
しかしここ数年は、東レのシルックなどの新しい素材も扱うようになりました。
店頭に数多く並べているわけではありませんが、ご希望があればシルックでのお仕立ても可能です。
絹物の値段が高騰している中、「絹だけにこだわるのは難しい」と考えるようになりました。
お客様の考え方や需要もさまざまですし、実際にポリエステルの反物を見ててこれはいいなぁと感じるものも以前からありました。
そのような背景から、ポリエステル反物も取り入れて、セカンドチョイスをご提案できる体制にしています。

正絹反物は今まで通り在庫を置いておすすめしますし、
「価格やお手入れのしやすさを重視したい」という方にはシルックをご紹介できるようにしていきます。
選択肢が増えることで、より多くのお客様に合った一着をお仕立てできるようになったのではないかと思います。
これからも色々なお客様の言葉に耳を傾けて、お店としての引き出しを増やしていきたいと思います!
伝統芸能と男着物|茶道・将棋・落語・能・弓道・日本舞踊の世界で
2025年10月07日
伝統芸能の世界と男着物
当店には、普段着として着物を楽しむ方だけでなく、茶道・将棋・落語・能・弓道・日本舞踊といった和の伝統芸事に携わる方々も多くご来店くださっています。
それぞれの世界には長い歴史としきたりがありますが、日常の稽古や舞台の裏方、観劇や集まりの場面で着物を必要とされることが多いのです。
20年、学びながら向き合ってきた経験
私自身、最初からそれらのことを知っていたわけではありません。
お客様から教えていただきながら、一つひとつの現場で必要なことを学び、20年かけて少しずつ知識を増やしてきました。
「茶道ではこういう着物と袴が必要」「落語の方が好む羽織紐」などなど、実際にお客様と向き合い、作り上げてきた経験があります。
袴のご相談も多い伝統芸能の世界
一般のお客様と比べて、伝統芸能に携わる方々は袴の出番が多いのも特徴です。
茶道や能、弓道、日本舞踊など、場面によっては袴が必須とされることもあり、実際に袴に関するご相談をいただくことも多くあります。

具体的なご相談例
• 茶道のお稽古に向けて、着物や袴を仕立てたい
• 将棋の場にふさわしい、着物袴を選びたい
• 落語家の方が高座に上がる際に映える羽織を探している
• 能や日本舞踊の稽古で使いやすいポリエステルの着物を作ってみたい
• 弓道で使う正絹黒紋付や袴を見たい
伝統芸能の現場で必要とされる着物袴はそれぞれ少しずつ違いますが、「どのようなものを揃えればよいか」ということを一緒に考えながら見つけていただけると思います。
これからも伝統芸能を支える一着を
特別な舞台衣装は個別でできる範囲対応していきますが、
稽古や日常の場面で使う着物であれば、安心してご相談ください。
20年かけて少しずつ培った経験をもとに、これからも和の世界、伝統芸能を支える一枚をご提案してまいります。
秋冬の男着物シーズン到来|イベントも増えるこの季節に
2025年10月05日
秋冬は着物にちょうどいいシーズン
10月に入り、ようやく心地よい季節になってきました。
夏の暑さと冬の寒さのあいだの、ほんの短い時期ですが、着物を着るのにちょうど良いシーズンです。
行事やイベントが多い季節
秋は行事やイベントが多い季節でもあります。
七五三や茶道の行事などで着物を探しに来られる方も増え、実際に今週末も若い方から年配の方まで、さまざまなお客様にご来店いただきました。
普段のカジュアルな着物生活だけでなく、節目や特別な場面に着物を着たいという需要も高まる時期です。
実際のお客様の来店
春に夏物をお仕立ていただいたお客様が、今回は秋冬用の着物を作りに来てくださいました。
前回の着物に満足していただいているから再度ご来店いただいていると思いますので私にとってもうれしいことです。
「楽しみだな~楽しみだな~」と嬉しそうにお買物していただきました!
秋冬のおすすめ反物
秋冬の着物として素材感、風合いのある紬や、お洒落、上品なお召など多彩な
反物をご用意していますので、お客様のお好みで選んでいただけると思います。

秋冬の着物生活を楽しむ
一年の中でも、快適に着物を楽しめるのは短いシーズン。
この秋冬、自分だけの着物を仕立てて、着物で出かける心地よさを味わってください。
「男の着物たけもと」色々なお客様がご来店されます
2025年10月04日
銀座の高級店とは違う選択肢
お客様から「最初に銀座の高級な呉服店に行ってみたけれど、置いてあるのは正絹の反物ばかりで、値段も高額だったので少し違うと感じた」とのお話をうかがいました。
そのあと当店に来ていただき、木綿のカジュアル着物を選んでいただきました。
伝統的な世界だけに限られないお客様層
銀座で着物店を構えていると、「伝統的な世界のお客様が中心で、その世界の固定客ばかりではないか」と思われがちです。実際には当店はそうではありません。日常で気軽に着たい方、海外に持って行かれる方、特別な場面の準備をされる方など、いろいろな話があり、さまざまなお客様が訪れます。
幅広い品揃えで応える
だからこそ当店では、呉服店が扱う正絹の反物をベースにしながらも、洋服生地を仕立てた着物や、既製品、さらにはデニム素材の着物、カジュアル着物など幅広く揃えています。高級品だけでも、安売り専門でもなく、お客様の状況に合わせて着物を選んでいただけるように心がけています。

海外とつながる日常の一コマ
ここ数日でも、海外とつながりのあるお客様が立て続けに来店されました。海外に持ち帰られる方や、これから海外に持っていき着物を着る方やお土産などその目的も多岐にわたります。
多様なお客様に感謝して
こうして振り返ると、当店には実に幅広いお客様が訪れてくださっていることを改めて感じます。銀座という場所柄もあり、多様なお客様と出会えることに感謝しつつ、それぞれに合ったご提案を続けていきたいと思います。
