ブログ男着物のはなし
なぜ海外男性はサムライに惹かれるのか|Samurai・Ronin・Bushido・Ninjaと男着物の関係
2025年11月15日
最近、海外からのお客様が増えています。その中で、男着物を選ぶ男性の中には「Samurai(侍)」という言葉を口にする方が少なくありません。
「I feel like Samurai.」
「This looks like Ronin style.」
「Bushido… cool!」
こうしたリアクションを耳にすることがあります。
なぜ海外の男性は“サムライの美学”に惹かれるのでしょうか?そして、なぜ 男着物が Samurai Style と結びつきやすいのか?
今日はその理由をシンプルにお話しします。
海外男性がサムライ(Samurai)に惹かれる理由
武士道(Bushido)は海外で
“誠実・静かな強さ・日本らしさ” の象徴として捉えられています。
さらに、Ronin(浪人)の
「自由・孤高・ミニマル」なイメージも人気があります。
映画・アニメ・ゲームの影響で
Samurai/Ninja/Katana といった単語が世界中に浸透していることも大きな理由です。
男着物が “Samurai Style” と結びつく理由
男着物は直線裁ちでシンプル。黒・紺・茶などの渋い色合いも多く、海外の男性がイメージする“侍の色”と重なりやすいです。
羽織は “Japanese Jacket” と呼ばれることも多く、羽織を羽織ると浪人(Ronin)のような“着流しの侍スタイル” に見えることがあります。
より“本格的な侍(Samurai)”は袴(Hakama)で
袴を合わせると、本格的な Samurai(武士)のシルエットに近づきます。
羽織=浪人の雰囲気
袴=正統派の侍
と考えると、イメージがつかみやすいと思います。
観光・お土産感覚なら男の着物たけもと銀座一丁目店へ
海外の方の中には、“軽く Samurai Style を体験したい” というお客様もいます。
そういうお客様には
男の着物たけもと 銀座一丁目店(仕立て上がり中心)が合います。
https://takemoto.tokyo/ginza1chome/
軽い体験向けの男着物を探している方に人気があります。
本格素材・正統派 Samurai Style を求める方は男の着物たけもと(本店)へ
逆に、
•正絹で揃えたい
•渋い色で武士の雰囲気を出したい
•羽織や袴をしっかり整えたい
•仕立て(オーダー)をしたい
というお客様は、男の着物たけもと(本店) が最適です。
本店は Samurai aesthetics(武士の美学)と相性の良い素材や色が揃っています。

まとめ|男着物は“現代の Samurai Style”
海外の男性はSamurai・Ronin・Bushido・Ninja といった
日本の男性の美学(Japanese Warrior Aesthetics) に強く惹かれます。
男着物は、その美学を現代的に表現できる服。
お土産感覚の軽いスタイルは一丁目店へ。
本格的な Samurai Style は本店へ。
目的に合わせてお選びいただければと思います。
男性の着物用コート|和装コートの種類と特徴
2025年10月18日
冬の着物に欠かせない防寒具が「和装コート」。
男性用の着物コートにはいくつかの種類があり、それぞれ独特の魅力があります。毎年着物は着ないけど洋服に合わせるコートとして見に来る方がいるのも面白いところです。ここでは代表的な四種類をご紹介します。
角袖コート
もっとも定番の形。袖が着物や羽織と同じような形になっており、着物の袖をそのままスポッと入れることができます。使いやすく、今も安定した人気のあるコートです。
とんびコート
ケープが付いたタイプで、着物や羽織の袖を出したまま、その上からケープを羽織るように着ます。独特の雰囲気があり、和装らしい動きを楽しめるコートです。
インバネスコート
とんびに似ていますが、ケープが背中までぐるりと回っているのが特徴です。二重回しとも呼ばれ、クラシックでエレガントな雰囲気が漂います。男性用和装コートの中でも人気がある形ですが、現代では販売数が少なく、実際に見つけるのは意外と難しいコートです。
マントコート
肩から羽織るだけのもっとも珍しいタイプ。現在ではほとんど販売されていませんが、クラシックな装いを楽しみたい方に選ばれることもあるスタイルです。

当店の男性用和装コート
男の着物たけもとでは、毎年このような形のコートをご用意しています。
着物と組み合わせて、冬の装いをより一層楽しんでいただければと思います。
選択肢が広がっている男着物の世界
2025年10月13日
何かのきっかけで男着物に興味を持ち、「着物を着てみたいな」「探してみたいな」と思う方は少なくありません。
昭和の頃のように、お父さんたちが紺の着物に紺の羽織、茶色の着物に茶色の羽織といった、昔ながらの典型的な着方ばかりの時代ではありません。いろいろな種類の着物があることを理解してください。フォーマル、セミフォーマル、綺麗系のカジュアル、普段使いのカジュアル、スーツ感覚、部屋着感覚、という感じで洋服のように着物もいろいろです。
自由度が広がった素材と着こなし
今は、デニムの素材、スーツ地、ジャージ素材を使った着物や羽織など以前には考えられなかったような男着物が存在します。私の店限定の話ではイタリアのブランド生地を使って着物、羽織も多数紹介して販売してきました。
「絹物を何十万もかけて仕立てなければならない」という固定観念に縛られる必要はありません。ご自分のライフスタイルやご予算に合わせて、もっと自由に着物を選べる時代になっています。

写真はジャカード(ジャガードとも呼ばれる)生地着物にイタリアブランド生地の羽織コート
気軽に相談できるスタイル提案
私に相談いただくときには、洋服を選ぶ感覚で「どんなシーンで」「どんなイメージで」「どんな着こなしをしたいか」を教えていただければ十分です。難しい専門用語や知識は不要です。その会話を着物に落とし込んで、私が説明ご提案いたします。
お求めやすい金額の既製品から絹の仕立てまで幅広くご用意しています。大切なのは「自分に合う着物を一枚見つけること」。そのお手伝いをするのが私の役目です。(場合によっては別店舗を紹介します)
まずは一枚から
男の着物を「着てみたい」という気持ちがあれば、まずは無理せず気軽に何か一枚着てみてください。。実際に袖を通してみると、自分自身でいろんなことを感じると思います。みんながずっと着続けるわけではありません。合わない方もいるでしょう。心地よくて着続ける方もいます。たまに着る方、イベントで着る方、毎日のように着る方、着なくなる方、いろいろです。そんないろいろなお客様を今までたくさん見てきました。
男の着物が「無風」だった時代
2025年10月13日
私が男の着物の仕事を始めた頃は、まだほとんど注目されず、まさに「無風」と言える時代でした。
それでもこうして仕事を続けてこられたのは、潜在的に「着物を着てみたい」「男の着物っていいよね」と思っている方が、実はたくさんいらっしゃったからだと思います。
DNAに残る「着物」の記憶
日本で生まれ育つとDNAの中に着物の記憶が残っているのではないでしょうか。
普段は意識していなくても、男性の着物姿を見ると「なんかいいよね」と感じたり、女性からも「男の人の着物姿って素敵」という声をよく耳にします。
これは商売抜きでも本当に多く見聞きしてきたことです。
男の着物に出会うきっかけ
こうした声があり何かのきっかけで着てみたいと思う。そのようなこともあり、私のような店も続けてこられたのだと思います。
そしてこれからも、きっかけさえあれば「男の着物」に興味を持つ方はまだまだ増えていくと感じています。
男性が着物に興味を持つのに特別な理由は必要ありません、「ちょっと着てみたい」で十分です。

これからもまだまだ男着物を知らない方々が何かのきっかけで興味を持ち始める。
そんな方々のためにも続けていきます。
東京で男着物を販売|不思議なご縁に支えられて
2025年10月11日
私が発信している男着物関係の投稿をきっかけに来店されるお客様が多いのだと思います。
そこからさらに紹介をいただいたり、思いがけないご縁も色々あり多くのお客様と出会うことに感謝しています。
東京ではなく地方に住まわれている方が、出張などで東京に来られた時に立ち寄ってくださることもよくあります。
そうした方々からは「自分の住んでいるところには男の着物を扱うお店がないんです」
「着物を着たい気持ちはあっても見に行ける場所がないんです」といったことを聞きます。

また、当店で着物を誂えて海外赴任や海外暮らしに持っていかれる方も多数いらっしゃいました。
最近ではインバウンドのお客様が世界各国から東京に来た際に、当店を訪ねてくださることもありなんだか不思議な気持ちになります。
いろいろな縁があって、人と人との繋がりがあり、私は一人一人と向き合いながら、なんだかんだと男着物をたくさん販売してきました。
「男着物を着る人はどこにいるんだろう」と思っていた20年前ですが、今振り返ると本当に不思議なことがたくさんありました。
一つ一つ細い糸をたぐり寄せるような20年間でしたが、おかげさまでなんとか続けています。
「男の着物たけもと」色々なお客様がご来店されます
2025年10月04日
銀座の高級店とは違う選択肢
お客様から「最初に銀座の高級な呉服店に行ってみたけれど、置いてあるのは正絹の反物ばかりで、値段も高額だったので少し違うと感じた」とのお話をうかがいました。
そのあと当店に来ていただき、木綿のカジュアル着物を選んでいただきました。
伝統的な世界だけに限られないお客様層
銀座で着物店を構えていると、「伝統的な世界のお客様が中心で、その世界の固定客ばかりではないか」と思われがちです。実際には当店はそうではありません。日常で気軽に着たい方、海外に持って行かれる方、特別な場面の準備をされる方など、いろいろな話があり、さまざまなお客様が訪れます。
幅広い品揃えで応える
だからこそ当店では、呉服店が扱う正絹の反物をベースにしながらも、洋服生地を仕立てた着物や、既製品、さらにはデニム素材の着物、カジュアル着物など幅広く揃えています。高級品だけでも、安売り専門でもなく、お客様の状況に合わせて着物を選んでいただけるように心がけています。

海外とつながる日常の一コマ
ここ数日でも、海外とつながりのあるお客様が立て続けに来店されました。海外に持ち帰られる方や、これから海外に持っていき着物を着る方やお土産などその目的も多岐にわたります。
多様なお客様に感謝して
こうして振り返ると、当店には実に幅広いお客様が訪れてくださっていることを改めて感じます。銀座という場所柄もあり、多様なお客様と出会えることに感謝しつつ、それぞれに合ったご提案を続けていきたいと思います。
男着物|「単衣(ひとえ)」と「一重(ひとえ仕立て)」の違いについて
2025年10月04日
接客でよくあるご質問
お店で接客をしていると、お客様から「単衣の木綿ありますか?」などと聞かれることがあります。
着物関係に詳しくないと、こうした言葉の使い分けはなかなか分かりにくいですよね。
単衣とは?
基本的に「単衣(ひとえ)」は、正絹やポリエステルの着物 に対して使う言葉です。
本来、着物は裏地を付ける「袷仕立て(あわせしたて)」が基本。
その裏を付けずに仕立てたものを「単衣」と呼びます。
つまり、袷と単衣の両方があるのは正絹やポリエステルの着物なんですね。

木綿や麻の場合は?
一方で、基本的に木綿や麻、綿麻、ウールといった素材は、もともと裏地を付けない一重仕立て が前提です。
そのため、これらを「単衣」と呼ぶ必要がありません。
「木綿の着物」「麻の着物」とシンプルに表現していただければ大丈夫です。
単衣と一重の整理
〇正絹・ポリエステル → 袷と単衣の両方がある(裏地の有無で区別する)
〇木綿・麻・ウール → 最初から一重仕立てが前提なので「単衣」とは呼ばくて大丈夫
(一部例外もあります)
まとめ
「単衣の木綿ありますか?」といったご質問はよくいただきますが、基本的には木綿や麻は単衣という表現は必要なく「一重仕立て」が基本です。
ちょっとした違いですが、こういう知識があると着物選びがぐっと分かりやすくなります。
こうした豆知識を一つずつ知っていくと、着物に対して“少し通な見方”ができるようになりますよ!
