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男性用のリサイクル着物について

2018年09月02日

男性用のリサイクル着物について

当店は反物、プレタ、リサイクル、浴衣と男着物関係は諸々扱っていますが元々13年前の開業当時はリサイクル着物がメインでした。

13年たった今現在はどちらかというと反物からのお仕立てがメインで呉服屋と同じことをしますが、元々はそういうスタートでした。

男性用リサイクル着物は下積みの修行をしていない私にとってはまさに勉強の連続で分からないことだらけでしんどかったですが、毎年何百枚も何千枚も見て触って、その中から仕入れて仕入れたものを触って測って、触って測って分からないことは同業者に教えてもらってを繰り返しました。

やはり女性ものが多いマーケットですが、女性ものも見て触れば勉強になります。
その中で私は男物ばかりを探し集めていました。

仕入れたものを見て触って測るという一連の動きをひたすら繰り返し、素材のこと仕立てのことサイズのことなど男の着物のことを覚えました。

その経験がこの仕事を続けるうえでの基礎になっています。

考えてみるとリサイクル着物は今仕入れに行っても無い商品や作っていない商品の宝庫なので
珍しい商品もたくさん見て触って販売もして楽しかったですね。

その当時よりは扱う量は減りましたけれど、男性用のリサイクル着物は今も扱っています。
やはり変わった着物を見つけると面白いですし古いものには古いものの良さもありますね。

当店の場合は映画やドラマなどの衣装としてリサイクル着物を提供することもしばしばありますので引き続きリサイクル着物も続けていきたいです。

リサイクル着物の良いところは一般的に高額な絹の着物を安く買えることだと思います。
また仕立て上がっているのですぐに着ることもできますね。

男性リサイクル着物の特徴は着物と羽織のセットでアンサンブルと呼んでいますが、基本的にはアンサンブルで出てくることとサイズが大きいものはほぼ無いということです。
また単衣夏物は少なくて浴衣はほとんどの業者さんは扱わないです。

今から何十年か前の景気が良かった時代にお父さんたちが百貨店で大島紬を50万円~100万円でかっている時代がありましたが、わかりやすく言うとそういう商品がリサイクル市場に出てきますので紺とか茶色のアンサンブルが大半なのです。

今は着物と羽織を反物から作るときに別々の反物で作って色柄を変えて作るのが主流ですがリサイクルで出てくる商品はまだまだアンサンブルが主流です。

着物と羽織の色違いは今らしいお洒落な感じでアンサンブルは伝統的な感じでしょうか。
この辺の感覚は好みなので、どちらが良い悪いということではないです。

実際に着ると感覚や好みも変わっていきます。
着たことがなくて考えているときと実際に着た後では感覚や考えが多少は変わっていきます。

リサイクル着物は昔ながらの高級品を安く探すことができます。
分かりやすく言うと大島紬や結城紬、あと上布なんかもそうですね。

「お洒落に今らしく綺麗な色味で着物と羽織の色柄を変えて着たい」
そういうわがままな方はリサイクル着物はあきらめてください(笑)

ただアンサンブルを買ってもバラバラにほかの着物と組み合わせることもできますし、サイズが小さくても直せる場合もありますし、工夫の仕方によっては可能性は広がります。

なんだか掘り出し物を探す楽しさもありますね。
皆様も色々なお店に行って触って試着して探してみてください。