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男性用のお召し着物について

2018年09月27日

男性用のお召し着物について少し書きます。
女性の着物は染の着物もありますから色々な種類がありますよね。
それに比べて男の着物は主に織りの着物で、織りの着物で絹と考えると紬とお召くらいしか種類というか呼び名がないですね。

そういう意味では非常にシンプルですが、もう少し呼び名を細分化して種類分けしても良さそうな気もします。
わかりやすい名前が「紬」か「お召」しかないのでどっちつかずの着物もたいていどっちかで呼んでしまうことが多いです。

実際は生糸だけの綺麗な糸で織ってる着物を紬と呼ぶのも違和感がありますし、シボシボしていない着物をお召と呼ぶのも違和感はありますね。そういうどっちつかずの着物は紬って呼ぶか、お召って呼ぶか特に決まりがなく業界の人も感覚でどっちかで話しているように思います。

もし一定の基準、ルールで紬、お召を分けて呼んでいる着物業界の人がいたとしても、ちょっと糸の話やらなんやらで一般的には見分けがつかないレベルの話になってしまいますので、わかりやすく説明できる基準があるといいですね。

今後そういう紬でもお召しでもどっちでもない平織の着物の名前があってもいいかもしれませんね。

この問題に限らず着物関係のルールや名前に曖昧なことはいっぱいあるので、気にしないで今のままでもいいでしょうが、紬と言いましても色々ですし、お召と言いましても色々あるんだという風に理解していただけるといいと思います。

結城のようにほっこりしている紬から大島のようにツルツルしている紬まで幅が広いので、紬だからどうでお召しだからどうだという風に頭でっかちに考えないで、素材感や色や柄で着用シーンを想像するとよいと思います。

お召はざっくりというと二つの種類で私は考えています。
一つは茶道にも使いやすいようなシボシボしたザお召です。


写真 男性用の茶道にも使いやすい無地お召

これは基本は無地ですが無地ではなくても小紋など遠目には無地っぽく見えるものです。
当店の場合ですとこちらはやはり茶道用に買っていただくことが多いです。

茶道以外でもシンプルなもの上品なものという感覚で選んでいただくこともありますし、紬着物の上に羽織る羽織と選んでいただくこともあります。

もう一つはドレッシーなお召です。
それほどシボシボしていなくてもどこかしっとりと上品でパーティーにも着ていけそうなお召です。


写真 ドレッシーでお洒落な男お召

こちらは結婚式などでみんなが着ている黒紋付や無地では面白くないからと選んでいただいたり、特に式典ではなくて単純にカッコイイ、お洒落ということで選んでいただいたりもします。

見て触って選んで組み合わせて感じていただくことが大事だと考えていますので、皆様にご来店いただいたときに期待を裏切らないように日々やっていきたいと思います。